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2019/02/03 4:23

ミラクル(奇跡コントロール)の使い方。

みなさん、レガシーしていますか?

私はかれこれ3年ほどレガシーをしておりますが、その間ずっとミラクルをつかっています。

今回は、ミラクルというデッキがどういうデッキなのか、可能な限り書いていこうと思います。

ちなみに私の成績ですが、これと言って大きな大会で結果を残せているわけでもないです。

ただ、昨年の2月からトータル200戦した段階で118勝82敗の勝率59%だったので、まぁ6割ぐらい勝てる人間と思ってもらえればと思います。(ちなみに、この勝率から「真の勝率」を出すとだいたい52%~65%ぐらいの範囲になります。つまり、ミラクルは明確に「勝ち越せる」デッキです)



1.ミラクルの基本構成


ミラクルというデッキの特徴は何でしょうか。

大きな特徴はフリースロットが多いという点です。例えばANTが73枚固定というようなことが言われたりするのに対して、ミラクルはメインデッキで言えば下記40枚のみが固定枠で、残りの20枚はフリースロットです。(もちろん、例えば土地枠にあと3枚というように「役割ごとのスロット」は固定されている部分がありますので、完全フリーというわけではありません)

実際にはこの40枚に加えて土地枠で3枚、1マナドローで2枚、2マナドローで3枚、勝ち手段(主にメンター)で2枚の10枚ぐらいが役割として固まりますので、本当のフリースロットは10枚ぐらいになります。

ちなみに、この10枚のフリースロットに石鍛冶/装備品/真の名の宿敵を採用すると青白石鍛冶となります。そのため青白石鍛冶と青白ミラクルには共通項も多いです。覚えておきましょう。


土地枠について(3~4枚)

通常、土地枠は20枚ですが、19枚のみの場合もあります。その場合1マナのドロースペル(先触れor定業)を土地20枚のデッキに比べて1枚多く採用する必要があります。したがって、ドロースペル以外のスペルの枚数自体は変わりません。「土地を削ってジェイスを4枚つかうぞ~~~」っていうのはできないわけですね。

フリースロット自体は3枚~4枚となりますが、この3~4枚は実質的にはvolcanic islandとフェッチの枠になるので、単に2色か3色の差かというだけになります。

2色3色の違いで差が出る土地としてはカラカスぐらいしか環境になく、そのカラカスもそれほど採用率が高いというわけではありません。


フェッチからアクセスできない不毛の的ということで、「マナの供給能力」という点については大きな不安が残ります。採用する場合は明確な理由が必要です。(例えば、メインからヴェンディリオンやヴェンセールを採用したレジェンド型とか、リアニメイトをメタるために入れるとか・・・)

2色の土地基盤のベーシックな構成は以下の通りです。


人によって構成が分かれる点は、以下の3点です

・7枚目の島を採用するか
・溢れかえる岸辺以外のフェッチの青系フェッチ:白系フェッチの比
・3枚目の平地を採用するか

1つ目と2つ目は好みでやってもらってもそんなに差は出ないかなと思う領域です。個人的には基本土地が好きなので、島を7枚とっています。

3枚目の平地については上2つと比べると影響が大きく、白のダブルシンボルのカードの採用に影響します。
議会の採決をメインから2枚以上採用する場合は不毛の大地に影響されない安定した白マナ源として3枚目の平地を採用することをお勧めします。(こないだ、平地2枚構成で大会に出たら思考吐きで2枚目の平地を落とされて泣きかけました)

3色の土地基盤のベーシックな構成は以下の通りです。

これはもうほとんど差が出ない領域ですね。volcanic island とツンドラの3枚目をそれぞれ採用するかどうかというぐらいしか変わりようがありませんし、平地の枚数も2枚固定です。


フェッチランドについて
ミラクルで採用するフェッチランドは青白フェッチ以外は青系/白系というだけで選んでしまっても別に「持ってくることのできる土地」自体には影響がないので別にどれを選んでも特段の問題はありません。
特に、沸騰する小湖なんかは高いので、安い汚染された三角州を採用してもいいです。

とはいえ、影響が0というわけでもないので、ここで少し触れておきます。

汚染された三角州

まぁ安いっていうのが一つのメリットではありますが、それ以外としては序盤に置いた場合にグリコンと間違えてくれる可能性があることです。

ただ、対戦相手から見たら、グリコンもミラクルも序盤にやることは同じなので、そこはあまり差がないです。

エルドラージならチャリスX=1で置いてきますし、デスタクならバイアルスタートです。ANTならハンデスから入りますし、ショーテルなら思案です。そこにグリコンとミラクルの差はありません。

沸騰する小湖


沸騰する小湖は他の青系フェッチと比べて大きなメリットがありまして、それは「山を採用していないことがばれない」という点です(逆に言えば、山を採用する場合は沸騰する小湖一択です)。

ただ、弱点が一つあって、真髄の針や魔術遠眼鏡で相手のフェッチを指定するときに、自分のフェッチも巻き込まれやすいという点です。ただ、裏を返せばそれは相手も同じなので、自分がサイドボードに真髄の針や魔術遠眼鏡を採用していない場合は沸騰する小湖でいいと思います(高いですが)。

霧深い雨林


沸騰する小湖の内容と被りますが、自分が針や眼鏡を使う場合には相手と被りにくいことがメリットなのと、フェッチだけおいてターンを終了した場合に相手がこっちのデッキを絞りにくいという差があります。

あと、手札に複数枚フェッチがあるときに魔術遠眼鏡を使われた場合の被害を減らすために、青系フェッチは散らす選択肢もあります。

乾燥台地

これがベター。3色ならこれ以外は使わない

2色でも、3色じゃないことがばれるので、これ以外を使うのはNG

吹きさらしの荒野/湿地の干潟

このあたりはまぁ使わないでしょ。


2.ミラクルのゲームメイク


ミラクルというデッキがゲームに勝つための方法はそれほど簡単ではありません。
もちろん、僧院の導師を3ターン目に出して、意志の力で守ってイージーウィンというゲームがないわけでもありませんが、基本的には「受ける」デッキですので、そういったことはないわけです。

2.1ミラクルの特徴

さて、ミラクルが他のデッキと大きく異なる点は「能動的な脅威がない」という点に尽きるでしょう。レガシー環境のデッキは能動的な脅威を兼ね備えています。

例えば、エルドラージであれば難題の予見者や現実を砕く者、デスタクであればサリアといった形ですね。


ここで注目すべきは、コントロールデッキであってさえ能動的な脅威を持っているという点で、グリクシスコントロールでさえ「トーラックへの賛歌」「グルマグのアンコウ」といった脅威を擁しています。

もう少しレガシー環境の脅威を詳細に見ると、多くの脅威は「ソーサリータイミングで展開する」という形を取っていることがわかります。カードパワーというのは「マナコストそのもの」と「そのカードへの制限」という2つに依存するため、より低い投資で多くのリターンを得るために、「ソーサリータイミングでしか展開できない」という形の脅威を取ることが一般的です。

対して、ミラクルは「構える」という動作が必要なため、ソーサリータイミングでの脅威を安易に展開することができず、必然的に「ソーサリータイミングでの脅威を展開する」という行動が苦手な点がミラクルというデッキの構造的問題として生じます。

さて、それを解消する場合のアプローチとして、主に2点のアプローチが考えられます

1:インスタントタイミングでの脅威を用意する

2:ソーサリータイミングでの脅威はゲームを掌握してから展開する


の2点になります。

この2点から、ミラクルのゲームメイクは以下の2パターンになります。

・インスタントタイミングでの脅威を用意し、常に受けの姿勢をとり続けた状態で勝つ

・ゲームを掌握した後にソーサリータイミングでの脅威を展開して勝つ

ここまで書けばなんとなく見えてくるかと思いますが、前者が対コンボデッキでの基本的な勝ち方、後者が対フェアデッキでの勝ち方

ということになります。

2.2キレる脅威、キレない脅威

さて、前項では脅威とそのタイミングについて見ていきましたが、大きな括りとして「インスタントタイミングでの脅威」と「ソーサリータイミングでの脅威」という観点の分類でした。

この項では少し視点を変えてミラクルというデッキの脅威について見ていきます。

ミラクルにおいてはソーサリータイミングの脅威はゲームを掌握してから使用するという話が出ましたが、その例外も当然あります。

主に、ミラクルにおいて採用されるエンチャント群である「相殺」および「基本に帰れ」がその代表です。

これらのカードは2ターン目や3ターン目に、返しの相手ターンの脅威の展開を意識することなく使用することが往々にして存在していますが、彼らとその他のカードの違いはいったい何なのでしょうか。

一言で言ってしまえば、「回答であり脅威である」ということです(妨害といったほうがわかりやすいかもしれません)。

相殺や基本に帰れは、設置直後から相手の行動を制限し、かつ相手の脅威の展開を妨害するからです。

このように、ミラクルにおいては対策かつ脅威であるというカードも少量存在していますので、こういったカードを使用する場合はゲームを掌握している必要はありません。

一方で、PWなどはどうでしょうか。確かに精神を刻む者、ジェイスは-1能力での直接的な除去や、±0で意志の力を引き込むというように「回答」のカードに属することは間違いない一方で、「設置してターンが帰ってきたらほぼ勝ち」というように対戦相手から見た場合は明確な「脅威」でもあります。

なので、精神を刻む者ジェイスはキレで出す価値があるとも言えそうです。実際のところはどうなのでしょうか?。

精神を刻む者ジェイスは、強力なカードではありますが「キレ」で出す価値が薄いカードです。なぜなら、精神を刻む者ジェイスが「回答であり、脅威でもある」を達成するためには「ターンが帰ってくる」という条件が必要だからです。返しのターンでジェイスが落とされてしまった場合、4マナ払ったブレインストームに過ぎないからです。

もう少し言葉を捕捉しましょう。「ジェイスは1ターンに”回答”か”脅威”のどちらかしか選択できない」ということです。そのため、「キレ」で出した場合「ほかのカードでジェイスをバックアップする」必要があり、それは「ゲームを掌握する」とほぼ同義です。

そのため、PWはゲームを掌握してから展開するのが主のパターンとなるわけです。

2.3 悪斬の天使から見る脅威

さて、先ほどの話から「脅威であり回答である」という性質を持つカードであれば、ゲームを掌握する必要がなく、ソーサリータイミングで展開することも許容されることがわかりました。

では、その理屈で行けば悪斬の天使もこのカード群に入りそうです。

悪残の天使が脅威であることは議論の余地はなく、5/5というサイズに加えて先制攻撃も持っていますから、例えばグルマグのアンコウなどに対する回答には十分なりそうです。

しかしながら、現実として悪残の天使はサイドボードに1枚入っているのをたまに見かけるぐらいで、ほとんど採用されていないカードです。

それはなぜでしょうか。一言で言えば「5マナだから」です。

5マナも払ったカードが打ち消された場合、その機会損失は非常に大きいものとなります。

例えば、ソーサリータイミングで5マナ払えば「ジェイスの創意」などを考えれば3枚ドロー以上の結果が期待されます。つまり、自分がカードアドバンテージ+2 相当です。しかしながら、これを意志の力で打ち消された場合、カードアドバンテージは+1相当にしかなりません。したがってレガシーで頻繁に採用される意志の力をピッチコストで打たれた時の機会損失が著しく大きいカードです。

また、意志の力を擁しないデッキであったとしても、5マナという重さは問題です。例えばエルドラージなどを例にとれば「5マナまでたまった時点で悪残を出せるなら、それはもう勝ったも同然では?」ということです。そもそも、5マナのカードを着地させるために盤面を掌握する必要性が生じているわけですから、脅威であり回答であるという性質を持っていても5マナ域には「キレOK理論」が適用されないわけです。

私としては、この境目は4マナと5マナにあると考えており、その点がテフェリーとジェイスの差なのかなと思ってます。

2.4脅威を展開するために

長々と書いてきましたが、結局のところ「ミラクルというデッキのカードは”回答”と”脅威”に明確に分かれており、ゲームを掌握するために回答を使い、ゲームを掌握してから脅威を出す」ということが基本になるということです。

これは、「相手の脅威にこちらも脅威を出して対抗する」という考えの他のデッキとは大きく異なる点です。

さて、ここまでの話で当然浮かんでくる疑問が一つありまして、それは「じゃぁいつ脅威を展開するのか」ということです。

ここまで述べているように「ゲームを掌握してから」ということになるのですが、ゲームが掌握されたシグナルというのはいったいどこに潜んでいるのでしょうか。

ソーサリータイミングで脅威を展開するためには、ゲームを掌握したその瞬間をとらえなければなりません。

この瞬間をとらえる簡単な方法があります。それは「相手の土地が止まった時」と「相手が何もしなかったとき」です。

まず、相手の土地が止まった時のことを考えましょう。この場合、理由としては2つのパターンがあります。

・土地が手札からなくなった

・土地は手札にあるが、あえて出さなかった

前者は単なるマナスクリューということになりますが、後者は違います。

少し具体例を考えましょう。例えば、あなたが土地を6枚コントロールしており、手札は平地1枚だけです。その状態で引いたカードが島だったとしましょう。その場合、当然その島か平地をセットするでしょう。「手札が2枚の状態を保っておいたほうがブラフになるし、ブレストを引いた時に戻すカードの候補が増える」ということよりも「次に瞬唱を引いた場合に瞬唱+終末を行う」という形を選ぶのが良いからです。

このことが意味しているのは、「プレイヤーは自分のデッキが必要とする土地枚数に達するまで、土地を可能な限り置く。(そして、それが最適解)」ということです。

例えば、青赤デルバーが第一ターン、第二ターン、第三ターンと土地を置いた後に第四ターンに思案+思案+デルバーと動いて土地をセットしなかった場合、思案2枚で土地にアクセスできないというパターンは考えにくいですから、「対戦相手は4枚目の土地は不要と判断している」と考えるということです。

青赤デルバーが必要な土地枚数について、あなた自身より対戦相手のほうが熟知していると考えるほうが自然です(特に型によって枚数が変わる可能性があるわけですからなおさらです)。その対戦相手が(追加の土地を得るのに十分と思われる程度のドロー操作をしたのに)土地を置かなくなったということは、必要な枚数に達したからと考えるべきです。(もちろん「土地が4枚でずっと止まってたけど、5枚目の土地を10ターン目に引き込んでケラノスをキャストした」ということは無いとは言い切れませんが・・・)

そして、「対戦相手がデッキが必要とする土地を置き終わった」ということは、以降は「相手にとっては土地は不要牌になる」ということを意味しています。

相手が土地を置き続けている間は「これまで使えなかった脅威を新しく使う(例えば、5枚目の土地を置いて瞬唱+コラガンの命令を使うとか)」「アクション数を増やす」というように、脅威がドンドンと展開されていくフェーズです。しかし、土地が不要牌になった段階で相手が脅威を展開する速度は明確に下がります。

これが一つ目のシグナルです。


ただし、これは青を擁しないデッキには単純には当てはまりません。例えば、エルドラージが必要とする土地の枚数には際限がありませんし、デスタクなども「一度引いた土地をライブラリに戻す」という方法がない以上、単に手札に来た土地を置き続けます。この指針は渦巻く知識を採用しているデッキ相手のみに有効な指針です。

2つめは幾分わかりやすい指標ですが、単に相手が何もしてこなかった場合は手札に脅威がないことになるため返しのターンを気にせずに脅威を展開できます(トップで引かれたらしゃーなしと割り切ることも大事です)。

ここでの「何もしてこない」とは、単にスペルを使わずターンを返したということではありません。

例えば、ショーテルであれば衝動を構えるためにターンを返すパターンもありますし、相手がバーンの場合もフルタップの隙を狙って構えている可能性があります。

相手がターンの開始から、次の相手自身のターンの開始までに何もしなかった場合に「何もしない」というシグナルとして受け取る点が重要です。

もちろん、相手が脅威を展開する隙を狙っているという可能性は否定しません。そこはリスクリターンです。

2.5 ミラクルのエンジン

さて、ここまでダラダラと書いてきたわけですが、結局のところミラクルというデッキの本質は何なのでしょうか。

それは「相手の不要牌を増やし、自分の有効牌を増やす」という形で差をつけて行って、最後は物量でフィニッシュするということです。

もう少し見てみると、(特にメインゲームでは)ミラクルは相手の不要牌を増やすことに長けたデッキです。
・相手のクリーチャー除去は効かない
・中途半端なクリーチャー(タルモゴイフ)だと殺しきれない
・ゲームが長引く分だけ土地を余分に引いてしまう

などですね。特に3番目は重要で「ミラクルというデッキは相手をマナフラッドに追い込む」デッキですから、ゲーム終了時に相手が「大地主だったー」と言っても「そういうデッキですから」となるわけです(まぁ声に出して言ったりしませんが)。

ですので、単にゲームを長引かせるだけでも物量差(ミラクルはドローソースが豊富にあるので、不要牌をため込むのは容易に避けられます)がついていく以上、時間稼ぎにも一定の意味があるのがミラクルのメリットです。

そうして言って、ゲームを引き延ばし、豊富なマナをアドバンテージに変えていくというのがミラクルの本質です。(ここでいうアドバンテージは単なる枚数差に加えて手札の質も指します)


3カード採用と型


さて、次は「ミラクルのフリースロット」について話しましょう。先に示した通り、ミラクルには多くのフリースロットが存在します。その中で(特にメインボードに)どのカードを採用するかによってゲームプランや有利/不利への影響が発生します。

この章では、各カード毎にどのようなマッチアップへの影響があるかと役割などについて書いていきます

相殺

師範の占い独楽禁止時には「相殺とか独楽無いとオワコンじゃない?」という扱いでしたが、禁止から2年が経つ現在では名誉挽回し、レガシー環境に耐えうるカードとなりました。

特に、コンボデッキ/フェアデッキに対する仕事っぷりは最高で、ブレインストームや思案でのバックアップを行わなくとも活躍が期待できるカードです。

このカードの特徴は「設置してから時間がたつほどアドバンテージを獲得する」「設置直後から機能する」という点です。この特徴から、最低限でも「突然の衰微」と1:1交換を期待でき、突然の衰微を擁しないフェアデッキ/コンボデッキではマストカウンターになるため、ミラクルにとって貴重な「押し付ける」カードになります。
特に、先手の場合返しのターンでやられる危険性が少ないため唱え得で、これにwillを切らせたら実質ヒムです。
明確な弱点は複数引きぐらいですが、ドロー操作に長けたミラクルでは特段の問題もありませんし、メインでは意志の力の玉になるので複数積んでも邪魔になりにくいです。

初手に欲しい/初手にいらないが明確に分かれるカードであるため、入れるのであれば「初手に欲しいマッチアップ用に多めに積む」のがいいでしょう。

個人的には3枚採用をお勧めします。初手に相殺が来る確率が高く、「リスクの少ない2ターン目に押し付けられる」「打ち消されても2枚目の相殺を引き込みやすいので打ち消される心配をしなくていい」「突然の衰微を持ってるデッキなら、どうせ割りにくる」などのメリットがあります。

また、後述する予報との相性も良く、デッキ内のいろいろなカードとシナジーを形成します。

対戦相手からすれば「相殺を除去してから動きたいが、除去札を引くまで待っていたら相手がドンドン有利になる」「除去札を探すためのカード自体が打ち消される可能性がある」というように、相殺1枚だけで相手の行動を束縛できるのでミラクルが目指しているゲームプランに合致します。

ただ、難点としては「1枚指すだけで機能する」というほどのものでは無いことです。早期着地が有効である都合上少なくとも2枚採用という点がデッキのスロットを圧迫してしまっていることは事実です。

基本に帰れ

このカードを置くだけでイージーウィンとなるデッキが環境に非常に多いため、メインに採用しておきたいカード。2枚とるパターンが典型だが、サイドにとってたり、メインは1枚だけだったり、そもそも採用していなかったりと様々。
ただ、2色にする大きな理由なので、通常2色型の場合は基本に帰れを採用するべきです。
レガシー環境で基本土地が多いデッキはミラクル以外だと「デスタク」が筆頭だが、基本に帰れはとても効果的に機能します。重要なのは基本土地の枚数以上に「特殊土地が何枚はいっているか」「デッキが特殊土地にどれだけ依存しているか」です。

アズカンタの探索

イクサランからの新顔。出てしばらくの間はかなり褒められていたカードでしたが、最近はあまり見なくなってしまいました。主な理由としては
・不毛の大地耐性というミラクルのメリットが失われる
・そもそも変身できているならゲームが長引いておりミラクル側有利
・フェアデッキに対して強い構成なのに、それ以上強くする必要がない(それならコンボに強い相殺をとる)
などなど。
1枚ぐらいなら採用してもいいですが、相殺や基本に帰れもセットで採用すると、相手のエンチャント破壊に丸ごと引っかかるので若干うまみが少ない。
同型ではなかなかの強さを発揮するが、同じ2マナなら相殺のほうが強いので、アズカンタの枠を相殺に割いたほうがいいです。
相手に依存しないという点ではアズカンタの探索のほうが強いですが、総合的には相殺が安定します。
ただ、裏返ったアズカンタの中毒性に病みつきになる気持ちもわかるので、情で選んでも別にいいと思います。

紅蓮破/赤霊破

 

このカードを採用するかどうかという点が2色と3色の境目となるわけですが、問題は「どういったデッキに有利になるか」という点です。単純な2色のミラクルの場合いわゆる「ミッドレンジ」に対しては相当の有利が尽きます。
したがって、このカードは「コンボ」と「コントロール」「アグロ」の3つに対してのカードになります。

具体的には「ショーテル」「グリクシスコントロール」「ミラクル」「青赤デルバー(カナスレを含む)」あたりをターゲットにすることになります。

が、実際のところ「ショーテル」「グリクシスコントロール」「青赤デルバー」についていえば、2色でも十分に渡り合うことができるため、実質「ミラクル同型を意識したカード」ということになります。

実際、ミラクル同型では3色が圧倒的に有利で、2色側が勝つには2ターン目に相殺を押し付けるとか、4ターン目のジェイスが通るとか、そういうドブンの動きが必要になってきます。

相手のジェイスをどかすためにこっちはソーサリータイミングで白白①払ってるのに向こうはインスタントタイミングで赤を払うだけでこっちのジェイスをどかしてくるわけですから、ゲームになりません。

ただ、「相手が青いカードを使っている」というだけでもサイドインする価値のある強力なカードですので、特にミラクルを意識していなくても3色にすることで2色よりもデッキのパワーをあげることはできます。その代償である不毛の大地耐性の低下をどれだけとるかは好みの範囲でしょう。
現状、2色と3色のどちらがメタ上で有利かというと3色の方に若干軍配があがるかなと思いますので、資産的に問題のない人(=volcanic islandを持っている人)であれば3色にしてサイドに紅蓮破/赤霊破を合わせて3~4枚とるといいでしょう。

僧院の導師

事実上現在のミラクルは「青白メンター」という側面もありますから、「型」に分類するカードかな?と思いますが、一応挙げておきます。

2枚採用型と3枚採用型とで差があり、2枚採用型はどちらかと言えばゲームをしっかりコントロールしてからメンターでフィニッシュするタイプ、3枚採用型は積極的にメンターを着地させることを狙うタイプになります。

3色型の場合は、サイドから紅蓮破/赤霊破が入ってメンターを強く運用できるので、3枚採用する場合は3色にするのが無難です。

蓄積した知識

死儀礼のシャーマン禁止後から注目されたカード(僕は素早くFNM版を800*4で集めました)。
ミラクルの2マナドロー枠に採用することになる。
「蓄積した知識か予報か」ということになるわけですが、差を列挙すると
・採用するときにかならず4枚採用しないといけない
・サイドの墓地対策と相性が悪い
・ミラクル同型でゲームが運ゲーになってしまう
・特に下準備なく、暇なときに打てばいい
ぐらいですね。ただ、予報と比較したときに、3枚目でようやくトータル6ドローとなり予報の3枚で6ドロー(不要牌を墓地に落とせていることを考えると、それ以上)に並ぶので、デッキが構造的に予報を使いやすい構成であれば、予報のほうが優先されます。
ただ、慣れないうちは予報は難しいので、蓄積した知識を使ってもいいとは思います。

予報


自分の不要牌を落として、枚数上も得をするかなりの強カード、相手を対象にとることもできるので、状況次第では思わぬ活躍をすることもあります。
下準備が必要な点があるので安定性とのトレードオフになるが、ミラクルはデッキの他のカードたちで安定性を支えているので、大した問題にならないことが多い。
「型」として書いてはいるが、基本的には予報がスタンダードな2マナドロー枠になる(なっている)と思います。(mtgGoldFishで直近10個のミラクルのデッキをみたら、予報が6、蓄積した知識が4でした)

任務説明

最近登場してきた型。瞬唱の魔導士のスロットを置き換えた形の構成。
瞬唱の魔導士に比べて、予報との相性が非常に高い反面、墓地依存度は瞬唱以上なので、やはりサイドの安らかなる眠りとは相性が良くない。実際使ってみると、瞬唱と比べてカンスペを打つのがめちゃ大変だったりして「慣れないとストレスたまるな」という感触だった。
ただ、「回答へのアクセス速度」は瞬唱に比べて諜報2分だけ高いので、安定性はなかなかのもの。
瞬唱は2/1のクリーチャーが残るため、アド+1を持っているが、任務説明は予報があるときに簡単にアドをとれるのでアドのとりやすさという点ではどちらも同じようなものだと思います。
諜報をしてから再利用するカードを選ぶが結構えらくて、外科的摘出が効かないという点と、「予報目当てで打ったけど、トップ2枚が両方ともほしいカードだった」という場合に渦巻く知識に切り替えられる柔軟性につながっています。

ギデオン

ジェイスに勝っている点は
・ラスアナ/ヴェリアナに強い
・赤霊破/紅蓮破に引っかからない
・稲妻で死なない
の3点だけです。メンターに比べて、自分の使う全体除去の影響を受けにくいのも利点。
それなりに強いカードではありますが、現状はサイドボード要因になってます。

狼狽の嵐/呪文貫き

この枠は1マナカウンター枠になるわけですが、ミラクルのメインボードは1~2枚の1マナカウンターをとるスペースがあります。
この枠に加えて、サイドに2~3枚ある1マナカウンター枠の計3~5枚をこの2種で埋める形になります。
「型」としたのはメインにどちらを用意するのかという点で、狼狽の嵐を採用するのが主流です。(黄金パターンは、メインに狼狽の嵐1,サイドに狼狽の嵐2)
呪文貫きが狼狽の嵐に勝っている点は「対エンチャント」「対PW」「対アーティファクト」と、全て「非クリーチャーのパーマネント」を処理できる点です。ただ、これらのパーマネントは全て議会の採決で対応できるわけですから、議会の採決を複数枚採用しているなら呪文貫きよりも狼狽の嵐をとるべきかなと思います。
チャリスX=1をされたときにストレスがたまるのであれば呪文貫きでいいと思います。
(蛇足ではありますが、ミラクルはチャリスX=1はかなりきついですが、「詰み」というわけではありません。プレイング次第では十分に乗り越えて勝つことができると私は感じています)

4.個別カード解説


前項では、「型」を中心に話しましたが、以降は「デッキに採用されている場合」について書きます

仕組まれた爆薬


非常に便利な全体除去ではあるが、このカードのメリットは「0〜3マナの範囲のカードに対応できる」という点なので、「2色ミラクルの場合は採用価値が低い」という点と、「単一のカードに対応する場合は議会の採決の方がマナ効率がいい場合がほとんど」という問題がある。
とはいえ、メインから採用できるチャリス対策という点は大きなメリット。特にメンター型に寄りがちな3色ミラクルはメインとサイドを合わせて1マナのカードを多く採用していることが多いので、枠が余れば1枚挿しておくといいです。

細かいテクニックとしては、サリアが絡んだ時に追加で払うマナの色を数えたり、同じ色のマナを払ってスタック上の点数で見たマナコストを制御したりといった部分があります。


相手の不毛の大地を無視して赤マナを用意できるカード。ただ、現状メインに赤霊破/紅蓮破をとっている構成が皆無のため、メインに入れていると完全なお荷物になってしまう。また、サイドに入れたとしても、結局は「赤霊破」「紅蓮破」が刺さる&不毛の大地を使っているデッキ相手出ないと効果がありません。そして、そういったデッキは青赤デルバーに代表されるように「ゲームをスムーズに終わらせる」というのを目標としているため、繰り返しも赤霊破や紅蓮破を打てるような状況ならそもそも勝てています。
つまり、都度都度volcanic islandを持ってきて、打つのを繰り返せているならそれだけで勝ててるということです。山というカードは長期戦を見据えたカードですが、それと不毛の大地耐性とがかみ合う部分が少なく、現状ではサイドボードに入れるのはお勧めしません。

カラカス

デッキにヴェンセールやヴェンディリオンが入っている型なら採用してもいいですが、それ以外だとあまり活躍できません。オプションの一つとしてはあってもいいですが、依存した構築にするのもリスクを伴います。
リアニメイトに対してはイオナを除去できる数少ない手段なので、リアニメイトを意識するなら採用してもいいかなと思います。

渦巻く知識

レガシーで一番パワフルなカードは当然ミラクルというデッキでも一番強いカード
役割はいくつかありますが、ざっくりといえば「手札の質を高くする」というのが主な仕事。「手札の質を高くする」というのは「マナスクリュー時に土地を探したり」「相手のラスアナに対応するために議会の採決を探す」といった部分も含まれます。

渦巻く知識を使う上で一番重要なことは「使うのを我慢する」ということです。ゲームが進行すればするほど不要牌が明確になります(例えば、手札に7枚目の土地を抱えるべきかどうかはゲームが進むほど明確になる)し、ライブラリの枚数も減少するので、ブレが少なくなります。

結局のところ、ブレストの使い方というのは「我慢する」という大枠からの例外を覚えていくことにつきるのです。

ミラクル同型などではさっさとブレストを落として、瞬唱でのFBから相手にちょっかいをかけ続けるという形をとることができたりするので、一律に「我慢しろ」とは言えませんが、大きな指針として覚えておくとよいかと思います。

いくつかブレストの使い道をあげましょう

1.ハンデスに対応して手札を隠す。

頻発するパターンです。
ライブラリのトップに置くか、2枚目に置くかという点については手札に引き込む順番という以外では相殺ぐらいで「自分の都合だけ(=自分が今わかっている情報だけ)」で積む順番を決めていいでしょう(対戦相手の2枚目のハンデスもケアするなら、その点の考慮は必要ですが・・・)。
ちなみに、デッキトップのみを落とすカードとハンデスを併用してくるデッキは予報+ヴェンディリオンの組み合わせのみです。デッキトップ2枚を両方落としてくるのは思考破棄がありますので、覚えておきましょう。

2.回答を探す場合

「お互いにトップ勝負」みたいな消耗戦にならない限りは「脅威を探しに」ブレストを打つことはありません。基本的には相手の行動へのレスポンスとして動くことになります。
先に挙げた「我慢する」という観点から見ると、回答を探しにブレストを打つこと自体を減らすために、回答カードは節約するべきで、より広い対応のカードを手札に温存することが重要です。
例えば、議会の採決と剣を鍬にがある場合は「マナ払えるうちに払っとくかぁ~~~」という考えで議会の採決を消費するのではなく、きっちりと剣を鍬にから使っていきましょう。

3.土地を探す場合

ミラクルは土地1+ドロースペルのハンドをキープするデッキなので、ブレストで土地を探しに行く回数は比較的多いです。この時注意すべきは自分のメインでブレストを打った場合、ミラクルをよく知っている相手の場合「マナスクリューしている」ということを見抜いて狼狽の嵐や呪文貫きで妨害してくるという点です(さすがに意志の力を切るまでは至らないとは思いますが。)。
いくつかパターンを分けて定石を考えてみましょう。

3.1   2ターン目に土地1で詰まってしまった場合

1ターン目の動きから考えてみると、初手に土地が1枚とブレストでキープして、セットランドゴーというところが出発点のわけです、この場合次のターンで2枚目の土地が置けるかどうかはミラクルの勝率に大きな影響を与えますから、多少のコストを払ったとしても「2枚目の土地を引き込む確率を最大限増加させるべき」です。
もし、相手ターンの終わりにブレストを打った場合、デッキトップ3枚の中に土地がない場合ほとんど負けです(思案などのさらなるドロースペルがあれば話は別ですが・・・)。
ですので、この場合の最適解は自分のターンまでブレストを温存し、トップが土地ならそのままセットゴー、トップが土地じゃないならブレストを打って土地を探しに行くということになります。後者を妨害されたら、あきらめましょう。

3.2   3ターン目に土地2で詰まるような場合

これは、土地の組み合わせでセオリーが変わります。
相手のターン終了時に自分が土地2の時、その土地が「フェッチランドを含まない土地2枚」であれば、デッキを掘る枚数を最大化するために、次のターンのメインにブレストを打って土地を探しに行きます。

一方で、フェッチランドを含んでいる場合は、「相手のエンドにブレスト+フェッチ」「自分のターンにブレスト」のどちらの場合も「デッキを掘る枚数は4枚」となり、差がありません。
奇跡の場合、平地を採用しているので、ブレストを駆使して見つけた3枚目の土地が平地の場合、自分のターンにブレストを使っている場合は青+白の形でしかマナを用意できず、対抗呪文を構えたり、相殺を設置したりできなくなってしまいます。

ですので、3ターン目に土地2で詰まり、かつフェッチを持っている場合は、直前の相手ターンの終了時にブレスト+フェッチで土地を探しに行くのがセオリーになります。この場合の副次的なメリットとして、相手は手札を整えるためにブレストを打ったのか、土地を探しにブレストを打ったのかがわからないため、手札に妨害札を持っていたとしても、それをブレストに打たないというプレイングをしてくれる可能性があるということです。

4.デッキトップをコントロールする場合

これは「終末」や「天使への願い」を奇跡コストで唱えたい場合や、相殺を使って相手の呪文を打ち消したりする場合に使います。まぁそれほど難しい使い方ではないですね。
そのほかでは予報と組み合わせてアドを稼ぐために使ったりもします

5.手札の質を上げる

直接的なアドバンテージにはつながりませんが、相手によっては完全な無駄牌となるカードをデッキに埋め込み、フェッチでシャッフルすることで事実上のアンリコにすることができます。
「どのカードが不要牌なのか」という判断をより確実にするためには「我慢する」ということが大事になってきます。
渦巻く知識の強みは「手札の不要牌を有効牌に変える」という部分が大勢を占めていますので、手札の質を上げるという使い道がブレストの本質的な指針である「我慢」という点と結びついているのは当然のことではありますが・・・・

6.インスタントタイミングのドローソースとして

回答を探すという点とも重複することとなりますが、なんといってもインスタントであることがブレストの強みです。ただ、相手の動きを見てから使えるという点以外にも相手ターンで奇跡を誘発させられるという利点も保持しています。後述しますが、この動きは先触れでも可能で、先触れのほうがブレストより弱いカードなので、ブレストで奇跡を誘発させるのは手札の先触れを使い切ってからにしましょう。

ちなみに、奇跡を誘発させるためにブレストを打つ動きは2017年初頭から使われだしたテクニックです。

禁止になったからね!


思案

レガシーの歴史を見てみると、思案は「見つかっちゃった」系カードです。初期の奇跡コントロールで「思案4:土地20」派と「思案0:土地23」派みたいな争いがあったぐらいです。


で、今となっては青いデッキに「意志の力」「渦巻く知識」と並んで当たり前のように4枚積まれるカードとなってしまいました。渦巻く知識は聖域ですが思案はそうでもないので、私としては禁止に行っても特段の驚きはありません(愚痴はこぼすと思いますが)。

さて、思案もブレストと同様に回答を探したり、土地を探したりと役割自体はかぶっています。

ただ、インスタントとソーサリーというさはやはり大きく、回答を探すにしても「相手の動きを見てから」探す場合は1ターン待たないといけない場面が多いです。渦巻く知識は「今の手札で対応しきれないカードが来てから」動けばよかったのに対して、思案は事前に動くことを求められがちです。しかし、ミラクルは受けるデッキですから「何を探すか」が明確になっている場面が多いですし、困ったらとりあえず打ち消しを握るようにしておけば問題ないでしょう。

また、思案は手札の質を高めるカードとしての役割もありますから、安易に1ターン目に思案を打たず2ターン目まで待ってフェッチと組み合わせて使えるように動くことも念頭に入れておきましょう。
奇跡ミラーなんかだと結構差が出ます。

先触れ

先に謝っておきますが、私自身は先触れをあまり使いこんでいません。弱いからというのとfoilがないからというのが主な理由です。
実際問題として、ミラクルは能動的に動くタイミングが少ないためスロートリップの問題が影響を及ぼすことはあまりありませんが、いくつかパターンがあります

1.僧院の導師を使うとき

これは思案や定業との大きな差で、ドロースペルをチェインさせてフィニッシュする場合に問題が発生します。とはいえ、先触れは1マナドロースペルのうち真っ先に消費されるスペルなので、そういったシチュエーションはそんなにないかなと思います。(だいたいは、思案や定業とセットで僧院の導師を使うので、思案とか定業で安定してチェイン出来る)

2.トップ勝負の時

例えば、お互いにトップ勝負という状況で、思案であればジェイスまでつなげられたのに、先触れだから無理だったというパターンは明確な弱点です。この点が嫌なので私は定業を採用しています。

3.ソーサリーの回答を探すとき

議会の採決を探す時です

弱点を見てみると、やはり先触れは定業よりも若干柔軟性に欠けるかなと感じます。一応相手を対象にとることができるという点や、スロートリップで奇跡を誘発させることができるという思案にはない利点がありますが、その利点はそこまで大きくありません(そんなにデカかったら独楽禁止前に採用されていたでしょう)。

事実として、独楽禁止直後は4枚採用されていた先触れですが、現在は2~3枚採用が主流で、先触れ2+定業1という形で採用されている場合もありますから、徐々に枠はとられてきつつあるのかなと思います。

foilを印刷してくれたら気兼ねなく先触れ使えるんですがね・・・(25周年マスターズで収録してほしかった)

定業

たまーに1枚か2枚採用されているドロースペル。思案に比べるとパワーは劣るものの、ミスが少なく、思案のような「3枚の内1枚は欲しいけど残り2枚はいらない&手札にフェッチがない」というような「シャッフルドローにかけるか、リスクを負うか」という選択が発生しません。
リスクを負った結果、それが原因で負けてしまうということがないので、ミラクル触り始めは定業のほうがいいと思いますし、ストレスをためやすい人は定業を使ったほうがいいかなと思います。

ただ、さすがにトップ勝負になった場合は掘り下げる枚数に1枚分の差がある=1ターン分の差がある ということにつながりますので、やはり思案に比べると劣るカードです。

剣を鍬に

環境最強の単体除去。黒が致命的なひと押しで喜んでいる横で平地1枚で相手の脅威を取り除くカード。
ライフゲインのデメリットもミラクル的にはほとんど問題なく、メタ上に顔を出してきた死の影に対してはメリットにすらなる(このライフゲインをきつく感じるのは、対土地単とショーテルぐらいです)。
さらに、自分のクリーチャーを対象にしてライフゲインするというオプションもついているので、本当に強いカードです。

剣を鍬にはメイン4枚の固定枠カードで、ANTやミラクル同型、ショーテルなどに対してもサイド後に2枚残すパターンが多いです。

強いて弱点を挙げるとすると、白マナがないと唱えられないという点で、対抗呪文(とか相殺)と剣を鍬にを2ターン目に両立させるにはツンドラが必要となり、不毛の大地の耐性が下がってしまいます。
島キープで平地を探し出せずに負けというパターンも結構あるので、キープするときは注意しましょう。

とはいっても、必ず4枚採用するカードである以上気にするも何もないわけですが・・・・

呪文貫き

メインサイドの両方の場所でフラスターと枠を取り合うカード。このカードは以下のカードを意識した場合に採用することになります

・ラスアナ/ヴェリアナ
・ジェイス
・チャリス
・バイアル
・各種2マナ置物(森の知恵/苦花/冬の宝珠 など)

ラスアナ/ヴェリアナ/ジェイスは議会の採決(ジェイスの場合は紅蓮破や赤霊破でもOK)などでも対処できますが、チャリスやバイアルは議会の採決を打つ頃には仕事を終えているということもあり、意志の力or呪文貫きというパターンが要求されることになります。

狙いをチャリスやバイアルにしている都合上、先手と後手で大きく価値が変わるのがこのカードの特徴で、後半にも強い狼狽の嵐と比べて賞味期限が短いのも弱点の一つです。

ただ、現環境では押し付けが強いデッキがはびこっていますので、狼狽の嵐よりも範囲が広いこのカードの活躍の場は絶対にあります。入れて損はないカードですので、枠が余ったら入れておきましょう。

呪文嵌め

1枚差しが多いカード、こちらも狼狽の嵐や呪文貫きと枠を取り合う関係にある。
2マナのカードを使わないデッキはほとんどないので、ゲームを通じて一度は打つチャンスがあるため初手にあると安心できるカード。ただし、ゲーム後半の弱さは本当にストレスがたまるので、賞味期限が切れたと思ったらさっさと意志の力の餌にしたほうがいい。旬を逃したら一番弱いカードになってしまいます。
ただ、ミラクル同型の場合は予報/瞬唱/相殺/対抗呪文と、ゲーム後半でも狙いどころが非常に多いので強いカードになります。

真髄の針

相手のジェイスに刺したい場面が多々ありますが、それは自分のジェイスを止めることにつながるので、その宣言はあまりしたくはありません。
ミラクルというデッキは議会の採決の存在と、打ち消しの豊富さからほとんどすべての脅威をどうにかできるというのが特徴です。したがって「真髄の針でないと止められない」というカードは「土地の軌道型能力」となります。

その2台巨頭は「ウギンの目」と「暗黒の深部(演劇の舞台)」です。両者ともに基本に帰れがぶっ刺さるデッキなので、真髄の針をとるなら基本に帰れをとるべきだと思います。
(ちなみに、演劇の舞台を指定する場合は「コピー元のカードの名前」を宣言する必要があります。例えば、相手の演劇の舞台がリシャーダの港のコピーになっている場合は「リシャーダの港」と宣言する必要があります。一応、真髄の針のカード名の宣言は「戦場に出る際」なので、真髄の針に対応して別のカードのコピーになった場合はそのコピー先の名前を言えばいいので安心です。ただ、2つの演劇の舞台があり、一方がリシャーダの港、もう一方が森になっているばあいどちらか一方しか止められないので、結局暗黒の深部+演劇の舞台のコンボは止められません)

軽いっていう点は魅力ですが、チャリスに引っかかるような側面も出てきます。
ちなみに、真髄の針で相手のフェッチを指定した場合「相手の土地がこちらの手札と1:1交換になる」という点で「相手をマナフラッドにする」というミラクルの基本から外れる形になります。
序盤において「嵌め」の形になる可能性がないわけではないですが、あまりそこに期待するべきではないでしょう。

狼狽の嵐

ゲーム後半でも腐りにくい軽量打ち消し&打ち消されにくい打ち消しです。
狼狽の嵐同士が衝突したら、浮きマナが多いほうが勝ちます。
対ストームではあるととても安心できるカードで、相手のハンデスに対応して瞬唱を出し、狼狽の嵐を対象にとるだけで相手はそのターン動けなくなります。また、後手の場合にトーラクへの賛歌への回答にもなり、非常に多くのデッキに対して有効なカードです。そのため、メインに採用されている方も多く、その場合は呪文貫きとの入れ替えの形になります。
呪文貫きと比べて範囲は狭いものの、ゲーム全体を通して役立つカードです。

一方で、序盤の脅威は置物である場合が多く(バイアル/森の知恵/苦花/チャリス など)序盤のハンデスなどに対しては呪文貫きでも対処できるので差がみられません。
序盤と終盤のどちらを重視するかで狼狽の嵐をとるか、呪文貫きをとるかが変わってくることになります。

ただ、置物系はサイドに解呪をとっていればそちらで対応してしまっても問題はないので、サイドに解呪を2枚ぐらいとるのであれば狼狽の嵐の方が強いかと思います。

紅蓮破/赤霊破

赤をとる最大の理由。型のところで語ったので、あっさり目に書きますが、このカードはとにかくサイドボードの枠をとります。多くのカードに対処できる分「回答以上の仕事はしない」のでこれ以外に脅威を用意する必要があります。
ただ、弱点はそれぐらいで、サイドボードに3枚から4枚とるぐらい強力なカードです。

外科的摘出

カバーする範囲が非常に多いカード。
とはいえ、金太郎飴デッキには効果が薄いため主にサイドボードに採用される。勝ち手段が少ないデッキや特定のカードに依存したデッキに強く、このカードを巡っての攻防が発生することもしばしば。
墓地対策として分類されやすいが、「墓地対策としても使えるカード」と思ったほうが良い。安らかなる眠りは「墓地対策にしかならないカード」という点で違いがある。
マナを使わずに打てる点も魅力で、僧院の導師との相性もいい。
また、相手の先手1ターン目のドブンに抗える数少ないカードでもある。
多くのデッキで採用されている事実が示すように、極めて便利なカードではあるものの、その分相手も「外科的摘出を乗り越える」構築をしてくる(例えば、ショーテルが実物提示教育以外の勝ち手段を用意するなど)ため、打った後に相手のデッキを確認するときは、勝ち手段が何なのかを忘れずチェックしましょう。

魔術遠眼鏡

真髄の針とだいたい同じ。手札を見れるおまけは奇跡としては「ソーサリータイミングでの2マナ」を払ってまですることではないので、強くないです。

予報

ミラクルの貴重なアドバンテージ源。一応相手にも使えるが、何もわかっていない状況で打つにしても相手に向かって打つのは得策とは言えない(相手のデッキが墓地を利用する可能性を考えると悪手)。

相手に打つパターンの99%はデルバーで公開したトップを弾きたい場合。ミラクルは稲妻というカードが苦手(というよりは、稲妻を使うデッキが苦手)なので、稲妻を見たら落としておきましょう。デイズの場合は自分が2ドローするよりも、相手の手札を腐らせることのほうが価値があるので、そのまま引いてもらったほうがいいです。

蓄積した知識

死儀礼禁止からの注目カード。ただ、弱点が多く、4枚積み必須であったり墓地対策に弱かったりと個人的カードランクでは予報より下に位置付けているカード。
瞬唱との相性の悪さも問題であることと、最近台頭してきた瞬唱の代わりに任務説明を使う型の場合は蓄積した知識よりも予報の方が相性がいいため、徐々に数を減らしていくんじゃないかなと予想しています。3枚打ってようやく予報とカード枚数に並ぶという点は見た目よりも弱いです。
あと、予報と違ってwillできることが事実上できないというのも柔軟性を下げてます。

ただ、予報に比べてデッキ全体でサポートするという必要がそれほど要求されないため初めてミラクルを触るよ!って人はこっちを使ったほうがいいです。

相殺

独楽禁止前にも強かったカードは禁止後もやはり強かった・・・・
採用していない型をちらほら見かけるものの、環境の多くのデッキに有効な点が評価できるカード。
レガシーは環境的に1マナ2マナのカードが多くを占めており、何もしなくても打ち消しを期待できる。
また、コンボデッキはこのカードを乗り越えてフィニッシュする必要があるため、単純な時間稼ぎとしても機能する。

アズカンタの探索

イクサランで収録されたエンチャント。ただ、登場してから1年ぐらいかけて結局オプションの一つにしかなれなかった。相殺と比べると、2ターン目に置いた時のメリットが小さく、かつ変身するぐらい時間を稼げてマナを注いでアドバンテージをとれる状況ならそもそもオーバーキルという点から「負けない/負けをはねのけるカード」を求めてるミラクルにはあまり合わないと言う結論になった(アズカンタは「勝ちをより強固にできる」カード)。
こいつを置いておけば、そのゲーム中はマナスクリューとはおさらばになるので、その点はGOOD
あと、相殺3枚採用に抵抗がある人は1枚をアズカンタの探索に変えるといいと思います。

対抗呪文

後手だとすごく弱くなるマッチアップが増えたため、最近は2枚から1枚へと採用枚数が減少してきたカード。
対ANTとかだと1マナか2マナかという差が大きく、3ターン以内でゲームを決めてくるルートの場合は2マナと1マナの差は1アクションの差につながるのが難点。
ただまぁ、「華」のカードでもありますし「カンスペ」っていうときはとても気持ちがいいので1枚は入れておきましょう。
上の冗談はともかく、打てる状況であれば本当に強いカードなので、初手に来る確率を下げつつ要所で打てる状況を用意できる1枚差しが理にかなっていると思います。
瞬唱でFBする場合はクリコマ相当のマナ拘束なので、4ターン目まではフェッチで平地を持ってくる枚数を1枚に抑えておくのが無難です。

瞬唱の魔導士

一番好きなカードです!

レガシーのミラクルはアドバンテージをとるための手段が「予報」「相殺」「基本に帰れ」「ジェイス」など、「特定の条件を要求する」か「ソーサリータイミングで動く」という問題を抱えているため、インスタントタイミングでアドバンテージを稼いでくれるこいつは本当に強いカードです。
レガシーで一番強いクリーチャーですから4枚とらない理由がありません。

・・・・と、言いたいところでしたが、最近少し風向きが変わってきまして、瞬唱の魔導士の代わりに任務説明を採用した型が現れてきました。任務説明は予報との相性が極めてよく、諜報とも相まってデッキの安定性を底上げしてくれます。
ただ、安心と信頼の実績を持っているのは瞬唱の方ですからしばらくは瞬唱を使いつつ静観するというスタンスでも別にいいかなと思います。

任務説明

ラヴニカのギルドからの新顔。予報との相性が抜群で、最近は瞬唱のかわりにコイツを採用したデッキをちょくちょく見かけるようになりました(リアル(というより、日本)ではあまり浸透してなさそうです)。
この型はメンターでフィニッシュすることを前提としており、その観点から瞬唱のようなカードでコンボデッキに隙を見せずにクロックを用意するという点が苦手のため、ある程度メンターを強気に使っていく必要があるデッキです。
よく見かける構築ではメンター2枚、任務説明3枚という組み合わせですが、メンター3枚のパターンが任務説明型の主流になっていくのではと予言しておきます。
すでに私はfoilを3枚確保しましたが、普通のfoilなので、プレリリースプロモ版を持っている人がいたら私に売ってくれると喜びます(2019/02/05現在)。

封じ込める僧侶

サイドボード枠。なんだかんだ瞬速のクロックというのは優秀で、ANT相手にもたまに入れてます。こいつは対策でありながら脅威かつ瞬速というサイドボードの手本みたいなカードなので、2枚ぐらいまでなら枠を割いても邪魔にはならないと思います。ただ、3色型のミラクルはサイドボードの枠がかつかつなので2色ミラクルで多く見ることになるカードです。

安らかなる眠り

墓地対策カードではあるが、外科的摘出と比べると「墓地対策にしかならない」という問題点があります。
例えば、外科的摘出はショーテルに対してコンボパーツを抜いたり、奇跡に対してジェイスなどの勝ち手段を抜くといった「墓地対策以外の仕事」がありますが、安らかなる眠りはそういった仕事はしません。
ただ、永続的な墓地対策という点が役に立つマッチアップもあり、土地単やANT、カナスレなどに対しては非常に有効に働きます。問題は、自分の瞬唱やアズカンタ/任務説明などとの相性が悪い点ですが、刺さる相手には本当に刺さるのでそんな点は無視してサイドボードに入れていいです。

総評としては「外科的摘出より範囲は狭いが、強烈」というものになります。

少し安らかなる眠りの型を持つとすると、「サイドインする範囲」と「ゲームを左右するキーパーツになる範囲」というのは異なっており、後者の観点からみれば外科的摘出も安らかなる眠りもそれほど差はありません。ですから「墓地対策以外の役割」をそのサイドボードのスロットに求めるなら外科的摘出。そのスロットを真に墓地対策に割くだけの価値があると思うのであれば安らかなる眠りを採用すればいいと思います。

予期せぬ不在

独楽禁止直後に予報との組み合わせが話題になるものの、その後は評価が急落。あまり見かけなくなってしまった。
このカードをわざわざ使うということは、盤面から取り除きたいカードということなので、有効活用するには予期せぬ不在+(再度唱えた時のための)打ち消しが必要になってくる。
で、あれば議会の採決で十分というのが見かけなくなった主要因です。
何度も言うように、ミラクルはマナフラッドさせるデッキですから「相手の引くカードが有効牌になる」というカードはデッキの方向性とは一致していません。
あと、相殺の採用枚数が増えていく中で、予期せぬ不在に頼らなくても2枚ドローできるという点が採用率下落の一因になったとも思います。

解呪

非常に便利なカードではありますが、その分「議会の採決との差」を意識する必要があります。
2マナと3マナという差、インスタントとソーサリーの差、シングルシンボルとダブルシンボルの差
などなど、いろいろと差がありますが、レガシーの置物は「長い時間たつほど強い」という特徴があるので、議会の採決でも十分間に合う場面が多いです。
議会の採決と比べて明確に勝っている点は、対ショーテルと対感染です。

前者は実物提示教育にヴェンディリオン三人衆や瞬唱の魔導士を出すことで、相手にソーサリータイミングでの呪文を唱えるタイミングを渡さないまま全知を割るチャンスを得られます。後者は墨蛾の生息地に対応できます。

天界の粛清

ターゲットとする領域というか、役割自体は解呪と重なる場所が出てくるという点と、軽い/インスタントという部分以外は議会の採決に軍配が上がるカード。
ただし、こちらは議会の採決と違って赤の速攻持ちのクリーチャーを対処できるという点が議会の採決にはない利点。
色の問題も、サイドインするデッキをしっかり選べばクリアできるし、だからこそサイドボードに置いておく意味があると思います。
また、単に対クリーチャーデッキ用カードというだけでなくショーテルなどのデッキに対してもお守りとして入れることができ、見た目以上にカバーしている範囲は広いです。
とはいえ、サイドに1枚とるぐらいが限界で、それ以上は過剰なサイドボーディングと言えるでしょう。

無のロッド/石のような静寂

テキストは全く同じ2種のカード、マナコストとカードタイプが違うだけです。
唱えやすさで言えば無のロッドに軍配が上がりますが、問題は
「アーティファクトを主軸とするデッキに”アーティファクトは割れるけど、エンチャントは割れないカードが採用されているか"」という点です。

で、そういったカードとしては削剥がありますので、どっちの方がいいかと言われれば、ミラクルとしては石のような静寂の方がいいです。

議会の採決

万能除去。結構長いこと1枚差しで使ってたんですが、2枚採用にしてから目に見えて勝ち星が増えたのでそこからはほとんど2枚差しです。
特に2色型の場合は相手のPWを触る手段がほとんどないですから、議会の採決の2枚採用は必須だと思います。
デッキ内で最高の除去なので、乱発せずに相手のクロックを数ターン受けるという「耐え」も必要なカードです。無駄遣いNG!

ヴェンディリオン三人衆

青とは思えない性能を持ったカード。このカードは対コントロールにおいて最高峰のカードで、サイドボードにとっている枚数分すべてをぶち込みます。

いわゆる「ドローステップにエイッ」っていうのはミラクルとしては強い使い方ではなく、相手のエンドに打つのが基本です。
この例外は「手札の脅威を強い順にたたきつけるデッキ」相手のときで、例えばエルドラージや(バイアルが盤面にない)デスタクなどがそれに該当します。
それ以外でのインスタントタイミングでの動きがあるようなデッキ相手では基本的にはエンドに打ちましょう。
対コントロールでは打ち消しの確認や、打ち消しを誘うカードとして大変優秀ですが、それゆえに使うタイミングは「自分がジェイスを唱える前のターン」に使うことが多いです。
ヴェンディリオンを使えば、打ち消されるかどうかにかかわらず相手の打ち消しを1枚減らすことができる上に、返しの自分のターンはマナが完全に浮いた状態になるからです。

 

クロックとしても3というパワーは強くANTやショーテルに対して妨害しつつ時間制限を突き付けることができます。
自分を対象にとることも可能で、終末とかをデッキに戻したり、自分のデッキトップの終末を相手ターンに唱えるために使ったり(この使い方はアド損だけれども・・・)と柔軟性も持ち合わせています。

相手の手札の何を抜くかについては、次のターンにどうしたいかというのが基本で、ジェイスを出すなら打ち消しを、そうでないなら脅威を抜くのが一番簡単かつ安全。

メインに採用しても文句が出ないぐらい優秀なクリーチャーなので、環境が変わった時に備えて4枚買っておくといいかと思います。

僧院の導師

ミラクルの勝ち手段その1。ライフを詰めることで勝ちに向かうカードではあるが、剣鋤で相手に少々のライフを与えていても2回のアタックで殺しきることができる性能を持つカード。
全体除去を有していないクリーチャーデッキに対してはゲームフィニッシュまで想定した形で使用しなくても、トークンを2体も出せば盤面のイニシアチブをとることができて、こちらがソーサリータイミングでマナを使っても、返しのターンにスワイプされにくくなります。
一部の型(例えば、任務説明型)は僧院の導師で勝ち切ることを前提とした構成になっていて、使い捨てるのが難しいパターンもあるが、ジェイスを3枚以上採用しているようなデッキでは使い捨ての感覚で唱えても良いです。
特に、打ち消しをもたないデッキには非常に効果的で「3ターン目に意志の力を構えながら」「4ターン目に1マナドロースペルとセット」という形で動くだけでも強力。

独楽禁止前はサイドボードのカードだったが、独楽禁止後は盤面を掌握するだけでは勝てなくなったために速やかな勝利手段としてメインボードに昇格したという経緯があります。
メンター算は慣れないと難しいが、簡単なやり方としては「果敢を無視した打点を計算する」「果敢1回あたりに増加するダメージを計算する」という方法です。

天使への願い

最近はもう見なくなってしまったカード。ただ、こいつを1枚とっておくだけで簡単に勝ちが拾えるマッチアップ(デスタクやエルドラージ)そういったデッキを意識するならとっておくといい。
特にデスタク相手にはゲームプランそのものが「ダラダラとゲームを引き延ばす」に代わるため効果はテキメン。
エルドラージは難題の予見者で手札干渉してくるが、デスタクは手札干渉してこないので安心して天使への願いに依存できる。
独楽禁止前は相手のエンドに打つことで隙をなくしながら脅威を展開できるというメリットが大きかったが、独楽が禁止されている現代では安定性が低いカードとなってしまい評価は下降の一途。
すごく美しいアートなのでfoil映えします。1枚ぐらいは買っておいてもいいと思いますよ。

基本に帰れ

2色型ミラクルの必須カードかつ、3色ミラクルでの選択カード。
ほとんどすべてのミラクルに採用されるカードで、枚数は1枚だったり2枚だったりする(たいていの場合は2枚)。
多くのデッキに対してぶっ刺さるカードであり、特にエルドラージに対してはこのカードの存在がゲームを決めることになります。
3マナというマナコストが絶妙で、難題の予見者に対して間に合うか間に合わないかのギリギリラインで、初手キープしても難題に抜かれてしまうこともしばしば。過信は禁物。
グリコンなどの基本土地を多めに採用しているデッキでも、瞬唱+コラコマといったアドアドムーブを封じることができるので「基本土地だけで動くことができる」相手以外にはサイドアウトしてはいけない。
(「相手が何枚の基本地形をとっているか」ということと「基本土地だけで動くことができる」ということは異なります。)

 

ちなみに、デスタク相手の場合は相手のリシャポや魂の洞窟/カラカスを止めることで、こちらの動きが大分楽になるので抜いてはいけません。

血染めの月

基本に帰れとの相互互換。ただし、3色ミラクルでしか採用できません。
このカードは最近では殆ど使用されておらず、基本に帰れに押され気味なのが現状です。
問題点を挙げると、3ターン目に気軽におけないということです。
「青くない」という性質も相まって、着地後はほとんど除去されることがありませんが、依然としてマナは出ますし、アーティファクトの利用も許してしまいます。
基本に帰れでも十分に相手を拘束できる以上は自分の安定性を下げるのは避けるべきだと思います。(3ターン目においてしまったばっかりに負けてしまうってパターンもある)
血染めの月が強く使える環境は基本土地を採用していないデッキが隆盛することですが、死儀礼のシャーマンが禁止になってから基本土地を数枚採用したデッキが多くなったので、血染めの月はちょっと環境上弱いカードです。
例えば、基本土地を2枚採用しているデッキの場合は基本に帰れの影響下では1マナアクションを2回か2マナアクション1回になりますが、血染めの月の影響かではマナ域関係なく2アクションになります。
「相手はどうせ基本に帰れ/血染めの月をケアして基本土地から持ってくる」わけですから、基本土地が複数枚ある前提の下で強いほうを採用するということになり、基本に帰れが優先される状態になっているというわけです。

罠の橋

サイドボード常連というほどではないですが、枠が空いたらとっていいカードだと思います。メンターとセットで取り扱う場合は少し注意が必要ですが、インスタントをとっておけばアタック後にパワーを増やせばいいだけなので、その点は問題にはならないでしょう。
対エルドラージでは最高のカードの内の一つで、相手がウラモグを使ってくる以上はなるべく致命的な置物を多く置いておきたいので基本に帰れとのシナジーもあります。

 

moatと比較すると値段だけの問題ではなく、全ては塵に対する耐性があるのでこっちのほうが好きです。

摩耗損耗

以前はサイドボードでよく見かけていましたが、現在は「アーティファクトとエンチャントを同時に割る」というシチュエーションが少なく、ミラクル同型で相殺を割るのには1マナだと難があるという点から解呪採用が一般的です。
ただ、ポテンシャル自体は高く、置物除去でありながら状況次第ではアドバンテージもとれるので解呪の代わりに入れたとしても辛い思いをすることは無いと思います。

ジェイス

いつだって最強のPW。モダン解禁されて少し値上がってしまったのが悲しいですね(FTV版が7000円ぐらいのときに買い損ねて、結局1万*3枚買いました)。
とにかく着地してターンが帰ってくれば勝ちなので、着地した後は全力で守るのがベストです。
2枚目以降がすでに手札にある時は結構使い捨て感覚で打ってもいいんですが、相手もジェイスを使うデッキの場合にはこちらが唱えたジェイスが打ち消されて、その隙に向こうがジェイスを通してきたらかなりきついので、6枚ぐらいは土地が並んでから打ちたい。

+2能力
+2よりも±0の方が当然強いので、問題としては「いつから+2を使い始めるか」という点になります。
稲妻ケアで+2から入るという場合を除けば「ひたすら±0を起動し、ディスカードをしないといけないぐらいの状態になったら+2」というのが基本です。
ただ、相手が母聖樹を場に出している状態のショーテルのような、こちらの手札の質に関係なく勝ちに来るという場合は+2で勝ちを目指すタイミングを少し早めたほうが無難です。
盤面掌握している状態で+2が動き出したら「相手の手札をすべて消費させること」にゲームの焦点が移るので、思案やブレストとかにも狼狽の嵐を切っても構いません。
ヴェンディリオン三人衆で手札を確認して、相手の手札のカードを全て捌くことができることを確認してから+2に入ると安心です。
朝令暮改のようですが、ヴェンディリオン三人衆はサイドから投入するカードなので、メインゲームでこの戦法を使うことはできませんが、そもそもジェイスがそこまで機能し始めた時点でヴェンディリオンに頼らなくても勝てます。

+2でトップに置いたカードをフェッチでシャッフルするというのは対戦相手がよく使ってくるテクニックですが、微動だにせず「トップで」と言っておけば相手がフェッチを消費してくれます。
・・・・という話がよく上がりますが実際のところ、リスクにリターンが見合ってないのでやる意味がないと思います。

なお、ジェイスの+2が機能し始めた段階で「相手の手札に加わったらまずいカード」というのは相当限定されるため、だいたいはトップにおいてもらうことになります。

この例外として、ドロースペル(思案やブレスト)は全部ボトムです。ちなみに、レオヴォルドのようなマストカウンターであっても、手札にカウンターがあるならトップに残してもいいです。
お互いに手札を1枚ずつ消費して1ターンが経過すれば忠誠度の分だけこちらが有利だからです(さすがに相手のジェイスはボトムに送りますが)。
そのほか、盤面に影響を与えないカードはどれだけ強くても基本トップです(意志の力とか)。

0能力

アドバンテージ獲得能力。これを連打するのが単純かつ強力な手法で、稲妻で落とされる場合を除いて「0能力を使ったのはミス」となる場面はない(「+2能力を使った方がよかった」という場面はある)。つまり、±0能力は合格点は保証されている能力です。
なので、+2を使うかどうかで迷ったら±0能力を使えばいいということになります。
赤くないデッキ相手の場合ジェイスを直接除去することが難しく、通常はコンバットを経由する上に、速攻を持たないのでクリーチャーを出してから1ターンかかりますから、0のリスクはほとんどないです。

使い方としてはブレストに似ているところもありますが、ソーサリータイミングなので相手の動きを見る前に何を残すのかを決定する必要があります。とはいえ、ジェイスが着地している段階で「ゲームが膠着するほど有利」という状況ですので、脅威(テフェリーとか、メンターとか)を探す必要はなく意志の力や剣を鍬になどのカードを優先して残すというだけでいいです。

−1能力

盤面に触る能力。意外と使う能力。
大半は返しのターンで落とされないことが確定している状態で打つ(例えば、バイアルを置けていないデスタクの戦場に単独で存在するサリアとか)。

あとはエムラクールとかイオナとか(どちらもエメリアでジェイスが弱点ってのは面白いですね)がターゲットになります。

−12能力

打てるときは勝てるときだ!

ジェイスの採用枚数は2枚か3枚で、フェアデッキが強い環境なら3枚採用。コンボを意識するなら2枚採用というのが大まかな目安になります。
それ以外では、メンターにどこまで主軸を寄せるかという部分で、ざっくりとメンター+ジェイス=5枚という感じに思って置けばいいかなと思います。
環境や自分の好みによって枚数は変動しますので絶対的なものではありませんが・・・

ギデオン

スタンで暴れまわったカードはレガシーでも強く、採用実績も十分あるカード。とはいえ、必ず採用されるというほどでも無い。
「ライフを0にするカード」「4マナのPW」という点から、僧院の導師とジェイスの両方と比較される。
採用する場合は、この両者を採用することに比べてメリットが大きい理由が必要。
1.僧院の導師との比較

マナコストの3と4の差も当然あるが、それに加えてダブルシンボルというのがネックになる。
この点がメイン採用のリスクで、土地単やデスタクに白マナを潰されて(打ち消しを持たない相手なのでバックアップ無く置くことができるマッチアップなのに)なかなか設置できない自体が発生します。
このリスク(と、相殺でマナコストが3のカードをめくる確率をあげること)から主にサイドボードに採用するカードになります。
そのほかの差としては
・単体でも機能する
・除去されにくい
・全体除去の影響を受けにくい
という点で僧院の導師を上回る機能を持ち、特に青白ミラクル同型では至高の評決の存在から、メンターを出してトークンを並べても安全にスイープされるのでギデオンの方が強い場面が多い。

あと、これは遍歴の騎士エルズペスとの差にもつながりますが、夜の戦慄がおかれていても機能する点は魅力です。

2.ジェイスとの比較

・赤霊破に刺さらない
・フルタップで使ったターンはギデオンの方が強い
・相手のラスアナやヴェリアナに強い
などです。特に一番上の利点は重要で3色ミラクルが赤霊破を構えてイキってるところを咎められますし、相手のジェイスに対する圧力にもなります。
現環境では剣を鍬になどの追放除去、クリーチャーバウンス、(特性上刺さりにくいが)悪魔の布告などのインスタント布告除去が存在するので2/2トークンを生成し続けるのがメインになります。
リアニメイトなどのギデオンに対処する術を持たないデッキには+1能力でさっさとゲームを決めに行ってもいいですが、そうで無いならトークンを生成し続けるのが安牌ですし、それだけで十分強いです。

至高の評決

打ち消されない全体除去。クリーチャーデッキに対してはかなり役立つ。特に青白石鍛冶やグリコンのような除去体制を打ち消しに頼ったデッキに対しては刺さる。

一方で、早いデッキに対しては役立つ場面が少なく、意志の力の餌になる場面も多々あり。
運用としてはサイドボードに入れておくか、4枚目の終末を一枚差し替えるという形になるのが普通。
こいつを打ってから返しのターンに致命的な盤面を作られてしまうというデッキは基本的にはジェイスを擁するデッキぐらいで、それ以外のデッキ相手なら1:2がとれる状態ならさっさと打とう。

デスタク相手に打って、返しにギデオンが出てきたら泣いていいです。

テフェリー

もうスッカリミラクルの選択枠として定着したテフェリー君ですが、私自身はこいつをかなり初期から評価していて、「僕の予想は間違ってなかった!」って感じの情カードになっています。
使い始めた当初は、相手が対応をミスったりしたためジェイスより強かったのですが、こいつの強さが認識されてきてからは相手が全力で落としに来るようになったため、総合的にジェイスとトントンぐらいの立ち位置になりました。

+1能力がサイドボードの置物戦略と相性がよく。一度エンジンが始動したら止まらないのがこいつのすごいところ。

ただ、5マナという重さはネックなのでデッキにはそれほどたくさん採用することができず、せいぜい2枚が限界。
青いPWというのも弱点で、紅蓮破や赤霊破がはびこる環境では、マナが軽いジェイスに軍配が上がります。(白のPWでドローされたらたまったもんじゃないので、そこは受け入れます)。

PWの着地を巡って呪文の応酬が繰り広げられる状況では、1マナ=1アクションになるので、4マナと5マナの差は1アクションの差につながり、数字以上に差を感じます。

あと、ジェイスに比べてやることが簡単なので時間はそれほど食いません。引き分けにくいカードです。

意志の力

嫌いだけど4枚入れてるカード。
アド損なのが意志の力の最大のデメリットですが、そんなことも言ってられないほど強い脅威が周りにあるのがレガシーという環境。
最近は同型でもサイド後に2枚は残すようにしています。フェッチランドもそうですが、テキトーにつけたとしか思えない1点ペイがなんだかんだでゲームを左右する要因になるあたり、レガシーという環境は髪の毛一本差で勝負が決まる環境なんだなとつくづく思います。

悪斬の天使

対グリコン最終兵器。ラスアナにやられない/赤霊破/紅蓮破がきかない/致命的なひと押しにやられない/稲妻に落とされない/アンコウ、デルバー、梟にやられない・・・・

と、いった感じです。

布告除去には弱いので瞬唱とセットで使ってあげるといいと思います。

といっても、サイド後はメンターを意識すると布告除去は抜かれますからサイドから入れるのが前提のこのカードはそこまでケアをしなくてもいいかなと思います。ヴェンディリオンでお膳立てができると最高ですね。

布告除去以外だと、たまにみる残忍な切断ぐらいが一応の警戒カードになります。

終末

スイーパー。天使への願いが最近ほとんど見なくなったため、現状ミラクルでは終末のみが「奇跡」カードになります。
こいつを瞬唱や任務説明で利用することを考えると、土地は8枚までは伸ばし得です。手札に来てしまった終末を有効利用することはかなりめんどくさいため、1:1交換にしかならない場合でもたいていはチャンスがあれば奇跡コストで打ってしまっていいです。(例えば相手が1ターン目に出してきた変身していないデルバー1枚にたいして奇跡コストの終末を割いてもよい)
エルフと試合をしたときに罠橋で相手を止めているが、ジェイスで奥義を目指すにはライブラリが足りないというときに瞬唱を終末でデッキに戻して何とか奥義までたどり着いたという経験があります。

自分の瞬唱を終末で巻き込んだら、最強クリーチャーが再利用できるので、終末を手札から素で打つ場合はチャンプアタックするかどうかは一考してください。


4.サイドボード指針

よく言われる話として、サイドボードを使ったゲームはメインボードでのゲームより多いという話があります。サイドボードの重要性はいつの時代でも高いですが、ミラクルというデッキの構造からみて行きましょう。
ミラクルのメインボード60枚は以下のようになります(かなり大雑把な割り振りですが)

・土地 20
・脅威 5枚 (PW+メンター)
・ドローソース 10枚(ブレスト、思案、先触れ、予報)
・打ち消し 10枚(will,、相殺、ソフトカウンター)
・除去/妨害 15枚 (剣鋤、終末、議会の採決、瞬唱、基本に帰れ)

この枠のなかで、サイドボード後も(ほとんど)変わらないのは土地/脅威/ドローソースです。
と、いうことはミラクルにとってのサイドボーディングは

打ち消しと除去と妨害の20枚の質を向上させる

ということになります。
さて、メインボードでの分類上で「打ち消し」と「除去」はいずれも受けのカードですが、「打ち消し」はコンボやコントロールに効果が高く、「除去」は盤面に注力するデッキに対して強いカードとなります。
したがって、サイドボーディングで最初に考えることは
「打ち消しを増やす」OR「除去を増やす」ということになります。
と、考えると打ち消しと除去の両方を兼ねられるカードは非常に評価が高くなります。
先の分類上では瞬唱を除去の枠に入れましたが、実際には瞬唱は「瞬唱」という分類を置いてもいいぐらいの柔軟性で、「打ち消し」であり「除去」です。
したがって、瞬唱は基本的にはサイドボードには戻りません。
また、サイドボードにある紅蓮破や赤霊破は「打ち消し&除去」のカードなので、投入できる相手の場合は真っ先に投入されることになります。

また、ミラクルのサイドボードは他のデッキとは異なり「純粋な対策カード」の集まりです。
他のデッキのサイドボードは「対策カード」と「自分のデッキに対して相手が入れてくる対策カードへの対策カード」に分かれています。
土地単が安らかなる眠りを割るためにクローサの掌握をサイドインするのがその典型です。
その一方で、ミラクルへの対策というのは「より強い脅威」という形に限られます。したがって、ミラクル側の対策に対する対策というサイドボードはありません。ですから、ミラクル側は「相手はどんな脅威をサイドインしてくるか」という点に絞って考えればいいわけです。
また、ミラクルとのマッチアップでは時間をかければかけるほどミラクル側が有利になりますから対戦相手は「脅威の枚数を減らす」という選択肢をとるのが難しくなります。したがって、対戦相手はサイドボーディングの際にデッキの根本部分をなくすことができず(ミラクルはサイド後にジェイスとメンターを全抜きできますが、デルバーデッキがデルバーを抜くことはできません)、必然的に「メインボードでみたカードに対する回答カードはサイド後も機能する」ということになります。
サイドボードの裏目が少ないのはミラクルの特権ですのでうまく利用したいです。

では、実際に各アーキタイプ別にみて行きましょう

4.1 コントロール

実質的にはミラクルとグリコンです。(ジェイスを使うデッキ全般をここにいれてもいいですが・・・・)対コントロールでは打ち消しの重要性が上がりますので、「刺さりにくい回答を打ち消しに変える」ということになります。

 

実際には3色の場合は紅蓮破や赤霊破をサイドインすることになり、2色の場合は狼狽の嵐をサイドインするパターンが大半となります。
ここで重要なのは、「打ち消しの重要性が上がる」という言葉がさす「打ち消し」は「確定カウンター」であり、「ソフトカウンター」は指しません。
(確定カウンター→無条件に相手のカードを打ち消せるカウンター。不確定カウンター→相手がマナを払ったりした場合に打ち消せなくなるカウンター)

具体的には呪文貫きが抜ける形です。その一方で狼狽の嵐は定義上は不確定カウンターでも事実上の確定カウンターですので、優先度は上がります。
また、回答についても対コントロールでは最低限の除去があればよく(打ち消しがパーマネント除去を兼ねるため)

また、除去についてもクリーチャー除去や取り回しの厳しい除去から抜けていく形になります。

終末などの全体除去は抑え気味になることが多いです。
たとえばですが、私は対ミラクル同型のサイドボーディングで、クリーチャー除去は
・評決1
・終末1
・剣を鋤に2
の計4枚に絞り、空いた枠に打ち消しや外科的摘出を入れていきます。

また、互いに除去されにくい(=クリーチャーでない)パーマネントを展開していきますから、エンチャント除去の価値も上がります

4.2 アグロでないクリーチャーデッキ

こちらは当然クリーチャー除去の評価が上がります。
また、クリーチャー除去は魂の洞窟を使用してくるパターンが多く、打ち消しが通じない可能性があることに加え、速攻持ちでない限り「ライフを犠牲にすれば事後処理が許容される」という点がありますので、打ち消しの価値は下がります。

  

また、クリーチャーデッキにおいてインスタントやソーサリーは手札を整えたり、クリーチャーをバックアップするカード群(要は意志の力などの打ち消し)が中心になりますから、狼狽の嵐などのカードはあまり重要視されません。(例えば、剣を鍬にを2枚持っている場合と剣を鍬にと狼狽の嵐を1枚ずつ持ってる場合は剣を鍬にを2枚持っている場合の方がはるかに強いです。)

4.3 アグロデッキ/バーン


青赤デルバーやバーンがこのカテゴリに入ります。
突然ですが、ミラクルを使って日が浅い方でも通ぶれるワードを教えます。

「ミラクルは稲妻を使うデッキが苦手だからなぁ~~~」

です。このように、ミラクルは対アグロデッキではかなり窮屈な戦いを強いられます。
アグロデッキでは当然のように稲妻が採用されており、クリーチャーでライフを詰めて稲妻でフィニッシュという動きは「ミラクル側が常にインスタントに備えて動かなければならない」ということを意味しています。
そのため、1マナのカードの価値が高くなる点と、インスタントタイミングで出せる脅威の価値が上がります。

 

クリーチャーですとヴェンディリオンや瞬唱が該当します。
その一方で、僧院の導師や、ジェイス/テフェリーといったPWたちはその枚数を減らすことになります。
(私はいつもジェイスを2枚だけ残し、3枚目のジェイスとテフェリーとメンターはサイドアウトします。ただ、メンターについてはいつも迷っています。)
また、ヴェンディリオンと瞬唱の両者に共通する点は「相手のカードを1枚消費させつつ着地する」という点です。
こちらがジェイスやテフェリーといった「土地からアドバンテージを生み出す手段」が減っている以上、中途半端に時間をかけていると火力呪文をため込まれて、一気に解放されてフィニッシュというパターンになってしまうため、さっさと瞬唱やヴェンディリオンは出して相手に火力呪文をため込む時間を与えないようにするのがいいです。

4.4 対コンボ

対コンボデッキでは「着地したら負け」「通ったら負け」というカードが多いので、打ち消しの価値が上がります。

 

ここで注意するのはリアニメイトもショーテルもANTもクリーチャーカードを使用するということです。
リアニメイトやショーテルのグリセルブランドについては着地したらだいたい負けですが、それ以外なら剣を鍬に1枚で対処できるカードたちです。
剣を鍬には2枚ほど残しつつ、終末などの全除去を抜いてその枠に打ち消しをありったけ入れましょう。
対コンボデッキでは呪文貫きなどの不確定カウンターも十分に仕事をしてくれます。

ちなみに、対コンボデッキでも重要なのは「インスタントタイミングで設置できる脅威」です。ジェイス/テフェリー/僧院の導師の枚数を減らしてヴェンディリオン三人衆や封じ込める僧侶を入れましょう。


4.5  対プリズン系デッキ

ドラゴンストンピィ/赤単プリズンなどの「マナ上の妨害を行い、自分は2マナランドでその妨害を乗り越えるデッキ」を指します。
このタイプのデッキの妨害は「マナ効率への妨害(三なる宝玉、チャリス、アメジストのトゲ)」と「マナの色の妨害(血染めの月)」という2種類に大別できます。幸いにしてミラクルは血染めの月が効きにくいデッキなので、問題はマナ効率への妨害になります。


このタイプのデッキが採用しているクリーチャーは「ゴブリンの熟練先導者」などのため、「着地してすぐに剣を鍬にを打てないと不利になる」という問題を押し付けられてしまいます。
それに加えて「着地した少数精鋭でフィニッシュできる」「フィニッシャーが着地したら時間がたつほど有利」という特徴も兼ね備えています。
さらにさらに、これらの行動はゲーム開始直後に行われるため「マナを払っての打ち消し」は間に合わないことが多いです。そのため、対抗呪文の価値はガクっと落ちて、呪文貫きや意思の力が大きく増加します。

ただ、相手は初弾での妨害にリソースを割くため、ガス欠が速く、デッキ内のフィニッシャーを減らしたとしてもガス欠にさえ持っていけば十分に引き込める余裕があります。また、妨害は「土地が並びやすいミラクル」の性質上、時間がたつほどに弱まっていきます。そのためジェイスの枚数を少し減らして、序盤を耐えることができるカードを優先して入れるとよいです。

このマッチアップで重要なカードは議会の採決で、相手の反逆の先導者チャンドラに対する最高の回答です。

また、これらのデッキはチャリスを使用する都合上稲妻を採用していないので、「盤面のカードだけでコンバットを判断してよい」ことになります。メンターを使って押し込む際には相手の手札に対してケアをせずにきっちりとひき殺しましょう。

4.6  対チャリスデッキ

チャリスデッキに共通する弱点が「僧院の導師に弱い」という点です。
また、チャリスを使用するデッキは「フルタップで返したら取り返しのつかない状態になる」という可能性が低いため、3ターン目にフルタップで僧院の導師を出すリスクがかなり低いです。
加えて、チャリスデッキはドロースペルを採用できず、クリーチャー除去を「よりサイズの大きいクリーチャーに頼る」のが一般的であるため、僧院の導師着地→その後手札の1マナを適当に使ってフィニッシュというパターンが強力です。
ですので、勝ちパターンは僧院の導師に絞って、他の脅威はサイドアウトするといいと思います。
空いたメインボードの枠には置物破壊を適当に入れましょう。


5.対デッキタイプ毎指針


ここでは、メジャーなデッキタイプ毎の指針をまとめておきます。

デスタク

対デスタクではゲーム終了時の盤面をみれば、どちらが勝ったかがわかります。
(ジェイスの忠誠度が13だったとかではないです)

その判断方法は、「ミラクル側の土地が伸びていればミラクル側の勝ち。伸びてなかったら負け」というものです。デスタクは相手を妨害するカードとしてサリアという一級品のクリーチャーがいますが、打ち消しとハンデスは握っていないため、こちらの全除去やPWが通り放題。通ってからもコンバット以外では落とす方法がないため、一度始動したPWのエンジンはなかなか止まりません。
そのため、マナ的な拘束がなくなってしまうとミラクル側の肥大化していくアドバンテージを止めることができずに負けてしまうのです。
ですので、対デスタクで重要なのは「土地を伸ばすこと」です。

対デスタクでも僧院の導師は活躍します。
が、梅沢の十手があると、メンターが機能しなくなってしまうという点には注意しましょう。
殴打頭蓋はわりと平気ですが、梅沢の十手にカウンターが乗るとジェイスで勝つほかなくなります。
十手を打ち消せる時には意志の力を使ってでも打ち消しましょう。
あと、メインでは相殺が腐るので意志の力の餌にしましょう。

ここまでで何度も書きましたが、基本に帰れはキーパーツです。サイドアウトしてはいけません。

グリコン

アドバンテージを獲得するカードを連打してくるデッキです。
トーラックへの賛歌やコラコマなどの、ミラクルからすれば喉から手が出るほど欲しいカードが山盛りで、ラスアナは着地を許してしまうとそれだけで負けにつながってしまうマッチアップ。
グリコンのクリーチャー自体は終末や剣を鍬にで対処できるカードばかりなのと、機能し始めるのが出た次のターンから(=速攻持ちが居ない)なので、大した問題ではありません。
一方、グリコンはラスアナとジェイスという3マナと4マナの最高のPWを採用していますから、こいつらを着地させないようにすることが重要です。
大まかな指針としては、「クリーチャーは打ち消さず、除去で対応する」「PWとアドバンテージ源は打ち消す」となります。

悪意の大梟を無理に打ち消そうとすると打ち消しが無くなってしまうので、フクロウは通してマナが余っているときに除去する形をとってしまって構いません。
フクロウの1点クロックは、相手が「追加のクロックをおかず、フクロウで様子見する」という姿勢をとってくれている間はこちらとしては土地を伸ばせて有利なので、自分のほかのやりたいこと(相殺/基本に帰れと行ったエンチャントの設置や、思案/ブレストなどでの手札調整)がある間は無視してしまって問題ありません。

リアニメイト

「対応無いなら勝ち」というのを突き付けてくるデッキ。プレイングで勝つのはなかなか難しい。
マリガンの判断が一番ゲームを分けると感じます。墓地に落とすカードを弾くことに労力を割いても、納墓一枚が通るだけで努力が無に帰すので、釣り竿に対して動くほうがいいです。

クリーチャー除去としては、黒タイタンを意識するなら終末をサイド後も残すようにしておけばいいでしょう。

ジェイスやメンターなどはサイドアウトし、瞬速持ちのクリーチャーでライフを詰めていきましょう。

URデルバー

稲妻を使ってくるデッキなので、とてもきついデッキではありますが、相手の視点に立つと「ライフ5までは簡単だが、そこからの5点が遠い」デッキです。
この状態になり、ゲームが膠着するとミラクル側の防御がドンドン分厚くなっていきます。コレを突破するためにURデルバーは「手札に大量のカードをためて、一気にフィニッシュ」という形で動きますから、最後の最後まで油断できません。また、フィニッシュの時の動きから「1マナがとても重要」というゲームになりますので、ゲーム後半でも呪文貫きの価値は衰えません。

カナスレ

ミラクルとしては、URデルバーよりもカナスレの方が戦いやすいデッキです。その最大の理由はタルモゴイフで、2マナも払ったのに機能するのに1ターンかかる上に、除去体制が無いという点が大きな弱点だからです。
また、安らかなる眠りがタルモゴイフと敏捷なマングースの両方を対策できるために「瞬唱を使わないのに墓地対策に弱い」という特徴を持っています。
タルモゴイフがカナスレに鎮座している以上はミラクル的にはお客さんです。

プリズン

プリズンデッキの主要な妨害手段の内、血染めの月が効きにくいというはミラクルの大きなメリットです。
特に、メインゲームで相手が先手を取った場合大量のリソースを吐いた上で血染めの月を貼るというパターンも珍しくありません。
デッキとしてはクリーチャー除去が豊富なため、チャンドラ以外のカードの対処にはほとんど困らないはずです。
ミラクルは1マナ域のカードに頼った構成のため、チャリスで抑え込まれる場面も多々ありますが、「場に出たカードに対処」という点についてはミラクルは充実しているデッキなので、それほど心配ないでしょう。

土地単


土地単は面倒なデッキではありますが、勝てないデッキではありません。
基本に帰れを置くのが一番わかりやすく簡単なパターンではありますが、それは相手もわかっていて、突然の衰微やクローサの掌握などで対抗してきます。
罰する火+燃え柳の木立のエンジンが機能するまでには時間とマナがかかるため、ゲーム序盤に瞬唱やヴェンディリオンなどの脅威を展開して、相手に圧力をかけるといいでしょう。

サイド後は安らかなる眠りが刺さりますが、外科的摘出で相手の勝ち手段を抜いていく動きが強力です。
相手がライフを減らす手段は罰する火でチクチクするか、マリッドレイジで一発ぶん殴るかですが、後者は自分のライフが関係ありませんし、前者も減る速度が遅いので、外科的摘出を連発することのデメリットは薄いです。瞬唱のFBで外科的摘出を使いまわして罰する火/暗黒の深部を抜いていきましょう。
不屈の追跡者や溶鉄の渦などの脅威がサイド後に投入されている場合がありますが、全て議会の採決で対処できる上に、枚数もそれほど多くはないので、外科的摘出で順番に勝ち筋を抜いていくことをゲームプランとして覚えておくといいでしょう。

ANT

ANTはマナの計算がシビアなので、呪文貫きなどのソフトカウンターが非常によく刺さります。
3色型の場合、サイドボードの赤霊破や紅蓮破は相手の思案やブレストに積極的に当てていくのが良いです(ドロースペルを1枚打ち消すだけで1ターンしのいだと同然の効力を得られますから)。

不用意にフルタップすると、相手は意志の力だけに注意すればよくなり、ハンデスを打たなくてもいいような場面になってしまいます(コンボスタートされる危険性が上がる)ので、なるべくインスタントタイミングで脅威を展開しましょう。

奇跡

運ゲー製造マッチアップです。
もちろん、差が出ないことは無いんですが、
・3色と2色で戦ったら3色が勝ち
・2ターン目相殺ぶっぱが通ったら勝ち
・土地が詰まったら負け

と、プレイングで勝つにはくぐらないといけない関門が多すぎます。
なので、負けたとしてもサクっと切り替えていきましょう。

デッキ構築レベルでミラーマッチの相性を良くしたい場合、ミラクルはギデオンの対処が苦手なので、意識するならギデオンを入れるといいと思います。

グリデル

デルバー名を冠してはいるものの、若き紅蓮術士や真の名の宿敵のおかげで比較的長期戦でも叩けるデッキ。
ただし、このデッキにはグリコンで苦渋をなめさせられたコラガンの命令とトーラックへの賛歌が存在しない。
要求土地数もグリコンより少ないため、「アドバンテージ勝負」という点ではだいぶ戦いやすいです。
最強生物である真の名の宿敵も、このデッキであれば議会の採決や終末で十分対応できますし、終末は若き紅蓮術士の対策にもなります。
結局のところ、クリーチャーデッキという時点でミラクル側有利なわけです。

サイド後はこいつを忘れないように!

エルドラージ

チャリスはミラクルのデッキにあるカードの内15枚以上を封殺する強力なカードですが、その大半はドロースペルなので、チャリスが着地する前にドロースペルを消費することを意識すれば案外何とかなるもんです。

ただし、先手1ターン目のチャリスだけはどうやっても無理なので、即willしましょう。

3ターン目以降のチャリスについては意志の力を握っていても着地を許可することは結構あります。

あまり拒絶反応を起こさずに、盤面を見てどうするかを考えましょう。

ゲームとしては、ウギンの目があるだけで負けてしまいます。
基本に帰れや真髄の針などで止めるか、僧院の導師でさっさと勝ち切るのが無難です。
また、デッキの構成上、土地が有効牌になるデッキなのでジェイスの+2があまり強くない点には注意しましょう。基本ジェイスは0連打です。

青白石鍛冶/エスパーブレード/パトリオット

石鍛冶の神秘家をキーカードにしたデッキ。真の名の宿敵と梅沢の十手が採用されているので対クリーチャーデッキにはめっぽう強い
ただ、奇跡的にはデッキの基本的な動きが「クリーチャーを介す動き」なので、対処方法はデッキ内に豊富に素材する。
真の名の宿敵が十手を装備して、十手にカウンターが乗っても真の名の宿敵自体を除去すればかなりの時間を稼げるので、基本は装備品を無視してクリーチャーの対処を中心に動いていく。

ただ、十手に一度カウンターが乗ると僧院の導師が機能しなくなるので、どこかで十手は除去する必要がある点と、殴打頭蓋もマナが余った後半に強くなるカードなので、解呪などをサイドインして対応すること。

ショーテル

最近は、母聖樹を採用したタイプが増加の傾向を見せており、ミラクル的には厳しい状況。
ただ、ほとんどの場合3ターン目にならないと動き出さず構える必要がないため、序盤1~2ターンはこちらも手札の質を高めることに集中できる(ここがANTとの明確な違い)。

サイド後は、実物提示教育を打ち消して、外科的摘出で取り除くとジェイスや秘儀の職工ぐらいしか勝ち手段がなくなるため、ゲームはグッと楽になる。

ちなみに、相手のデッキ構成によっては罠の橋を置くだけで勝てることがあります。
サイドに罠の橋をとっているひとはしっかりとサイドインしましょう。


以上です。読んだ感想あれば、ツイッターで垂れ流してください。エゴサしますんで。