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2019/07/03 20:15

初手に何を打つ?

みなさん、こんにちは。また会いましたね

早速ですが、この間こんなツイートをしました

https://twitter.com/mtgbokuoo/status/1146019366061793280

//メイン1ターン目、何する?//


https://twitter.com/mtgbokuoo/status/1146019706102435848

選択肢
・島から思案
・フェッチ置いてエンド
・フェッチから平地持ってきてエンド
・島置いてエンド


予想を超えて100RTくらいと1000票ぐらいの投票をいただきまして、大変うれしいことです。
ありがとうございます。

投票結果としては

42%:島から思案
31%:フェッチ置いてエンド
25%:島置いてエンド
2%:フェッチから平地持ってきてエンド

って感じでした。
私のツイッターアカウントを見ている人は(多分)奇跡プレイヤーの割合が高いと思うので、これをもってレガシープレイヤーの統計とみることはやや疑問がありますが、適度に回答が3分され、良いアンケートになったのではないでしょうか。

さて、このクイズの意図はそもそも何なのだろうか?ということです。

それは

序盤のテンポを重視するプレイヤー(特に、デルバー系デッキのプレイヤー)と奇跡プレイヤーの思案の使い方の差という点をクローズアップする

というものです。

デルバー系デッキでは、思案を「脅威を探す」という役割に使いますし、それらのデッキでの脅威というものは序盤に設置できればできるほど強いため、積極的な思案の使用を肯定します。

一方で、ミラクルというデッキでの思案の役割は「回答を探す」という点でデルバー系デッキとは異なりますから、受動的な思案の使用が肯定されるわけです。


だらだらとしたトークはこれぐらいにして、クイズの選択肢をひとつづつ見て行きましょう。


島から思案

クイズの前提条件にもあるように、メインの先手ですから(知り合いでなければ)相手のデッキがわかりません。である以上は思案は温存する形になるのが現環境での正着です(断言すると炎上するという教えが大化の改新のころから言われていますが、まぁ炎上して失うものもないし別にいいでしょう)。

一応のメリットとして、意思の力をハンドに加えられるのでコンボデッキやチャリスに対してガードが上がるという点はありますが、手札に渦巻く知識があるのでそのメリットはかなり薄いです(渦巻く知識は3枚しか見ることが出来ないのに対して思案は4枚相当のカードを見れるという差はありますが・・・・)。

一方のデメリットとしては思案で3枚のカードを見た時に、何を手札に加えるかという点で裏目が生じるということです。
例えば、思案でめくった3枚が「フェッチ/剣鋤/呪文貫き」という組み合わせの場合に、何を優先してとるのかという点で賭けが発生してしまいます。安定性のためにドロー呪文を積んでいるわけですから、むやみに賭けに走るのはやめましょう。「間違った回答はあるが、間違った脅威は存在しない」これがデルバー系デッキとミラクルとの大きな差です。

また、もう一つのデメリットは、シャッフルしないことを選んだ場合、3枚の内の2枚をとらなければならないということです。思案の役割は手札の質を上げることです。必要性の低いカードを手札に入れる確率(=手札の質が下がる確率)は徹底的に下げましょう。


フェッチ置いてエンド/島を置いてエンド

かなり似たアクションです。実際のところ、この選択肢は皆さん結構迷っていらっしゃったように感じました。

まぁそれも無理のない話で、何を意識するか、流行のデッキは何か、(奇跡側の)採用カードによって、いくらでも変わる部分ではあります。

とはいえ、フェッチと島との差を見てみると「フェッチを置いてエンド」側のメリットは主に以下の3点に絞れます

・1ターン目の相手のエンドに剣鋤を打てる

・相手に自分のデッキがばれない

・魔術遠眼鏡や血染めの月をケアできる

(ほかにも、フェッチを切ったらカード1枚分デッキ圧縮できる とかもありますが、まぁそれは横に置きましょう)

これらのメリットに対して、「島を置いてエンド」の側メリットは

・ブレインストームを緊急で打つときに、返しのターンでフェッチを切ることで、不要牌を1枚シャッフルできる(ただし、これは返しのターンに思案を打つことでもできることではあります)

・ブレインストームを打つときにツンドラを持ってきて不毛の大地耐性を下げるか、島を持ってきて白マナが捻出できないリスクを負う必要がない。
(例えば、デッキがフェッチが残り8枚、平地2枚、ツンドラ1枚の構成だとすると、ブレインストームを打った時に白マナ源を引く確率が約52%, その後返しのターンで思案を打った時(=つまり、上からトータル5枚見て存在する確率)が約71%、さらにシャッフルして引くところまでで見つかる確率が約78%となります。つまり、2割ぐらいの確率で白マナが見つからない事態に陥るわけで、これは受け入れられない確率ですので、ツンドラを持ってくるほかありません。つまり、フェッチスタートはブレインストームを切るときに不毛の大地耐性が下がることとなります)

という点です。

問題はどちらを優先するかという点ですが、私自身は現環境において「フェッチ派」の

・1ターン目の相手のエンドに剣鋤を打てる

・相手に自分のデッキがばれない

という点についてはそのメリットがかなり小さいと考えています。その理由は以下の通りです。

1ターン目の相手のエンドに剣鋤を打てる

このメリットは、マナ効率が高いため魅力的に見えます。しかしながら、現環境では1ターン目に出てきて即座に除去できなければ負けというクリーチャーはいません(リアニメイトのグリセルブランドなんかは即除去する必要がありますが、釣り竿に対してブレストを打つので、どのみち剣鋤は相手のエンドに打つタイミングはないです)。また、デルバー系デッキであれば目くらましをケアして打ちたいため、結局は自分のターンで剣鋤を打つことになります。マーベリックやデスタク相手なら、相手のエンドに打つのも許容はされますが、それをしたことによって発生するメリットがかなり小さく、2マナのカードを次のターンに打つことが無い限りはメリットがありません。しかも、フェッチからは平地を持ってくるため、青青のカード(相殺や対抗呪文)を構えられるというメリットが生じません。したがって、「対マーベリックや対デスタクなどの目くらましをケアする必要のないデッキが1マナクリーチャーを出してきて、かつ次のターンのデッキトップが呪文貫きかドビンの拒否権」という場面でないとフェッチスタートの恩恵は受けられません。
これに対して、島スタートで恩恵を受けられるのは「相手が後手1ターン目にハンデスやチャリスを置いてきたとき」ということになりますので、その差は歴然です。

相手に自分のデッキがばれない

このメリットの問題は「相手が奇跡を何のデッキと勘違いしてくれたらうれしいか?」という点です。
青白フェッチからスタートするデッキは、現環境ではカナスレ、石鍛冶、奇跡、ショーテル、といったところでしょうか。

この中のカナスレについては、次のターンに島を置いた時点でカナスレが候補から消えるので影響がかなり小さいです(相手がカナスレだろうと奇跡だろうと、チャリスがあればX=1で置くし、デルバーがあればデルバー置きますよね?)
カナスレという候補が残っている間は相手がもみ消しをケアしてくれるかもしれませんが、それ以外のデッキでは対戦相手はもみ消しをケアする必要がなくなります。
石鍛冶デッキに勘違いされても、奇跡とある程度やることがかぶっているので、相手からすれば大した誤算ではありません。
ショーテルについては奇跡と大きくことなるデッキではあるものの、「ショーテルに焦点を絞って序盤の計画を立てて、それが外れても大きな損害はない」というのがネックになります(対ショーテルを意識してカウンターをかき集めた時に、「ショーテルと思ったデッキが実は奇跡でした」ってなっても結局はカウンターは役立つ)

と、いう点からやはりこのメリットもやはり小さく感じます。

魔術遠眼鏡や血染めの月をケアできる

この点については島ゴーとフェッチゴーの大きな差ではありますが、後手1ターン目の血染めの月はさすがにブンブン丸なので、そこはもう受け入れるほうに私は寄ってます(あと、島をセットした相手に初手から血染めの月を出すよりは他のプランに舵を切りそうな気もします。この辺は赤プリズンとかあまり知らないので何とも言えないですが)。

魔術遠眼鏡についても、魔術遠眼鏡を1ターン目に打ってくるようなデッキはチャリスを採用しているので、チャリスが来た場合のメリットが大きい島スタートのほうがいいかなと思います。


まぁ、結局のところは環境依存な部分が大きい(逃げの言葉)のですが、私は「島置いてエンド派」ということでどうぞお願いいたします。